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2008/02/04     単孔の茶壺と茶漉し
茶壺の湯出口には単孔のものと多孔のものがあります。
単孔とは穴が一つのもので、多孔とは小さな穴がいくつか空いていたり、小さなゴルフボールのような半球状のものがくっついていたりします。

この半球状のものは、茶壺によっては単孔にあとから取り付けたものもありますので、それらは取り外すこともできます。


これが単孔にあとから取り付けた茶漉しです。明らかに茶壺内部と色が違いますね。
この茶壺は文革期のものです。


このような形状の茶漉しは文革期以前からあります。
金属製の茶漉しが登場する前はこのようにして茶漉しをあとから取り付けていたのです。

ですからこの茶漉しの形状を見て茶壺の年代を特定することはできません。
かめきちは清代の茶壺にあとでこれを取り付けた茶壺を持っています。
その茶壺は宜興の茶農家が紅茶を飲む用に使っていたものでした。
※ちなみに当店の宜興紅茶はこの茶農がつくったものです。

かめきちはこのような茶壺で使い勝手が良くなければ、茶漉しを取り外し元の単孔に戻して茶漉しを付け替えるわけです。












これはよく見かける単孔水平壺ですね。

中国で最もポピュラーな茶壺です。

※かめきちはこのような茶壺をたくさん持っていますので、
 いつか年代別に整理してご紹介したいと思っています。


次に、






こちらはかめきちが普段使っている清・同治時代の茶壺です。

どちらの茶壺にも単孔が見えるでしょう。

かめきちの愛用している茶壺の3分の2は単孔ですが、単孔の茶壺をそのまま使うと茶葉が詰まりますので、かめきちはこの単孔の湯出口に付ける茶漉しをいろいろと考えてきました。

それでは現在かめきちが使っている茶漉しをご紹介しましょう。



これは、ステンレスの金網を四角に切って先を折り曲げ、同じくステンレスの針金で押さえのピンをつくっています。
このピンが注ぎ口の中で固定されるようにアールをつくっているわけです。

これを普通の金網でやると、使っているうちに錆びてくるので良くありません。

ピンのつまみに突起を付けることで、開いた茶葉が湯出口にピタッとくっつくのを防いでいます。やはり茶湯は気持ちよく、さーっと出なければなりません。



こんな感じですね!





このような台湾などで市販されている半球型のものもありますが、
これは良くありません。
単孔の周りの形状に沿ってアールを付けることができないので湯出口と茶漉しの隙間に茶葉が入って来ることがあります。



それと、この茶漉しは材質が良くないのでこのように裏面に錆びが浮いてきます。

こんな茶漉しではお茶が美味しく入るわけがありません。

※もしこのような茶漉しを使っている人がいたら、
 頻繁によく洗うか早目に交換することをお勧めします。



しかしステンレスの金網なら単孔の周囲の形状によって大きさと形を合わせることができるし、錆びることもありません。時々取り出して湯垢を洗い流すだけです。

茶漉しは茶葉の種類や大きさなどによって目の大きさが違うものが理想的です。

かめきちは単叢や鉄観音用の茶壺には少し目の大きい茶漉しを使い、プーアール茶を飲む時は目の小さなものを使うようにしています。

でもあまり目が細か過ぎると今度は逆に茶湯が出にくくなりますので、ちょうどの大きさのものを見つけなければなりません。

これは個人の感覚によるでしょう。




茶漉し作りに慣れると単孔の茶壺が好きになりますよ!


※単孔の茶壺をお買い上げくださった方でご希望がありましたら、
 かめきちオリジナル茶漉しをお着けいたします。


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2008/02/10     雛人形
今日は連休中ということもあり、少し中国茶から離れてみます。

節分が過ぎるとかめきちは店内に雛人形を飾ります。

別にかめきちにそんな趣味があるわけではありませんが、日本伝統文化として大事にしなくてはと思っているからです。

かめきちは中国、台湾、タイなどにはよく行きますが、このような人形を飾る女の子のお祭りはあまり聞いたことがありません。

もしかしたらフィリピン辺りに行けば、女の子ピナ人形を飾るピナ祭りというのがあるかも知れませんが、定かではありません。


それでは、バンブー茶館雛人形をご紹介します。


台の大きさは、幅23.5cm 奥行き14.0cmです。


この雛人形は高知の絵本作家小笠原まきさんの作品です。

数年前に小笠原さんが3つだけ作った内のひとつを譲っていただきました。
3つとも違うものでしたが、これが一番気に入ったのです。


お客さんからは、かわいいっと好評をいただいております。







いかがですか?とってもかわいいでしょう






この人形を眺めながら茶を飲んでいると、自然と笑みがこぼれてきます。


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2008/02/18     潮州式工夫茶
潮州式工夫茶とは、「潮汕工夫茶話」 (汕頭大学出版社)によると、

「潮汕平原と南洋群島一部の潮州出身華僑の間で古くから盛んに行われてきた独特の茶道である」

と書かれています。

この、南洋群島一部というのはどこを指すのか定かではありませんが、かめきちは海南島からタイを中心とするインドシナ半島だろうと思っています。

タイには潮州出身華僑が非常に多く、前首相のタクシン一族も潮州出身です。

香港も船舶王をはじめ、大富豪と呼ばれる人には潮州出身者が多くいます。


そこで今回は、この潮州式工夫茶とはいったいどのように茶を淹れるのか、というのをご紹介します。



正式潮州式工夫茶茶杯が3つと決まっています。これは人数が何人いても同じで、その時の格上の三人から順に飲んでいきます。

蓋碗に湯を注いだ後、このように茶杯の上に蓋碗の蓋を置き、その上から湯をかけて蓋と茶杯を温めるわけです。



それから蓋碗に茶葉を入れますが、日本では考えられないほど多くの茶葉を入れます。

「これって、多すぎるんじゃないのぉ?」と聞くと、



いきなり横から奥さんが、「まだまだよ」と言いながら茶葉をてんこ盛りに追加したのです。

シャレなのか本気なのかかめきちには判断がつきませんでしたけれども…。



次に茶杯を温めていた湯を茶盤に捨てて、蓋碗に湯を注ぎます。



洗茶した茶湯を茶杯に注ぎもう一度温めます。



茶杯茶湯を入れたまま蓋碗の蓋を茶杯の上に置き蓋碗に湯を注ぎます。




蓋碗を上手く回しながら茶葉を蓋碗に治めてから茶杯の中の茶湯を捨てます。



蓋碗で円を描くようにして3つの茶杯に均等に注ぎ分けます。



蓋碗の中に茶湯が残らないように最後の一滴まで絞り出します。


これが潮州式工夫茶です。


潮州の街に行くと、道端や軒下でこのような光景をよく見かけます。

話しかけると、「まぁ茶でも飲んで行けや」

と誘ってくれるのです。

[comment(2)]

2008/02/21     茶藝について
茶藝とは、茶を美しく表現して楽しむ、と言うことだと思います。

それでは、茶の美しい表現とはどういうことなのか、というのをかめきちなりに考えてみます。

前回の記事でご紹介した潮州式工夫茶茶藝の一つだと思います。






これが前回ご紹介した潮州式工夫茶です。


近年では潮州安渓武夷山といった青茶の産地ではほとんど蓋碗を使っています。

でも、使う茶器がどうであれ、かめきちは茶藝にはもてなす心欠ける美しくないと思うのです。


次の画像をご覧ください。



これは数年前安渓の写真です。

とても天気が良かったのでかめきちは安渓の街をぶらぶらと散歩していました。

そして、ある一軒の小さな茶店の前で祖母・母・娘3人がにこやかに佇んでいる所に出会いました。

天気好!

かめきちが挨拶をすると、お祖母さん「茶でも飲んで行きなさい」と誘ってくれたのです。




が少し照れながらも、一生懸命に鉄観音を淹れてくれました。

少しだけ世間話をしてかめきちはお暇しましたが、茶を売ることもせずに終始にこやかで、本当に気持ちの良い時間を過ごすことができました。

昔の日本もこんなんだったんだろうなぁ

と思いました。

この感動を与えてくれたのも、茶藝に他ならないと思うのであります。



一方、茶壺を使って美しく表現するのが台湾香港茶藝です。

台湾・香港大陸と違って茶藝洗練されています。

これはある台湾茶藝館です。



分かる人はすぐに分かりますね。台北にある老舗茶藝館です。

とても真剣丁寧を淹れていますね。

でもちょっとが入り過ぎているように感じます。

を淹れる人が緊張すれば飲む人にも感染してしまいます。

やはり茶と言うものはゆっくりのんびりリラックスして飲まないといけません。


こちらの写真をご覧ください。




こちらは台中にある茶藝館です。

この女性はとてもリラックスして茶を淹れています。

見ていて安心感があり、その所作の美しさが和みます。

杉林渓清花香も際立って感じられました。


技術で淹れるのではなく、心で淹れるものなのです。



美しさの表現と言うものは、結局のところ、

もてなす心

ということではないかと思うのであります。


※画像は全てウェブサイトに紹介することの了承を得ています。
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2008/02/28     無農薬有機茶と地球温暖化
『昭和五十八年、家族三人が入院し、ひと夏農薬散布ができなかったことがありました。秋、ハマキムシやウンカの害で新梢がボロボロになった畑を秋整枝した翌朝は、霧の深い朝でした。うすらぐ霧の中、茶畑一面にクモの巣がキラキラ…。クモやハチ類が害虫を食べてくれることは知識として知ってはいましたが、農薬をかけない茶畑のクモ類が現実に目の前で増加したことに驚き、感激。農薬をかけない栽培を決意したのです。』
愛媛県新宮村だより
<現代農業1997年6月号より>

先日、高知大学生涯学習部門の主催で「土佐茶の味を探ろう」というシンポジウムが高知大学で開かれました。かめきちも講師の一人として参加してきましたが、そこで愛媛県新宮村無農薬茶の栽培に取り組んでいる脇博義さんにお会いしました。そして、大変貴重なお話を聞くことができました。

冒頭の言葉は脇さんが無農薬茶の栽培を決意したきっかけが語られています。


こちらは平成11年(1999年)11月29日の静岡新聞に載ったコラムですが、一部をご紹介します。

『愛媛県新宮村は、高知県と徳島県の県境にある人口二千人足らずの山村である。標高が高く秋の紅葉は美しいが、冬はかなり冷え込む。かつては和紙を作っていたが、現在の特産はお茶である。四国は山茶があることで知られるが、戦前はもっぱらその山茶で茶を作っていた。昭和二十九年に静岡から「やぶきた」の苗を入れ、畑地で茶の栽培がはじまった。現在、村には約四十二㌶の茶園があり、ほとんどがやぶきたである。そしてこれらはすべて無農薬で栽培されている。かつては農薬を使っていたが昭和六十年から全村無農薬となった。ここに至るにはそれなりの理由がある。冷涼な気候でもともと害虫が少なかったこと、手間がないこと、それに茶栽培に対する意識の問題もあるようだが、さらに優れた指導者がいた。この地で長らく茶の指導的立場にあるのが脇博義さんである。村には三つの茶工場があるが、全体の六〇%が脇さんの工場で作られる。煎茶やほうじ茶だけでなく、独自の缶ドリンクや粉末茶まで作られ、多くは通販により全国に売られている。村長、助役さん以下ほとんどの人が大なり小なりの茶園を持ち、脇さんが二十年来発行する「茶園だより」により、村が一つとなってお茶と取り組んでいる。』


全村無農薬というのは凄いですね。

かめきちも中国茶と係わって以来、無農薬有機栽培茶をずっと捜し求めています。

特に最近は中国食品に対する不信感から、「中国茶は大丈夫か」とのご質問をよく受けます。

当バンブー茶館茶葉はかめきちが茶産地まで行き、全て品茶してから自分が飲みたいと思う茶葉だけしか買いませんのでどうかご安心ください、とお答えしています。

しかし、この農薬使用の有無というのは確認が非常に難しいのです。

かめきちは茶産地で初めての茶農と商談するときは必ず工場倉庫を見せてもらい、農薬化学肥料の在庫を調べるようにしています。でもこれはあくまで高山での話であり、低地での栽培で無農薬は有り得ないのです。
そもそも、茶樹低地での栽培が可能になったのは、農薬化学肥料の進歩によるところが大きいからです。
ですからかめきちは低地で栽培された茶葉は絶対に買いませんし、まずそのような場所には行きません。

(注)プーアール茶の場合は信頼できる倉庫からのものでないと取り扱いません。


では、この新宮村無農薬栽培とはどのような方法なのかと言いますと、

それは、簡単に言えば土着の天敵利用なのです。

つまり、天敵利用して害虫駆除するということです。

これは非常に原始的な方法で、ただ茶畑周囲の杉の木を伐って雑木を植え、天敵が入りやすくし、そして害虫対策として山草をしき込み、山茶が自生している状態に近づけるというものです。

施肥は有機質中心の肥料を秋、春二回の施用にとどめ、夏芽が肥え過ぎないようにし、二番茶後の整枝で多雨期に新芽がないようにする、など昔なら当たり前のことをやっているだけなのです。

そうして何が変わったかと言うと、

芽出し肥硬化抑制肥などを中止し、有機質中心肥料の秋春のみの施肥のせいか、精揉機工程での光沢が少なくなりました。また、山間地産やぶきた種の強い滋味が減り、やや淡泊な味になったようです。多肥栽培製茶機の大型化原因かと思われる香気の減少はやや改善されました。」


つまり、多肥栽培製茶機の大型化が良くないということです。

かめきちが、高山有機手工にこだわるのもこういう理由からです。


そして脇さんはこう語っています。

天敵がいるということは、害虫もいるということで、その程度の被害はあると思っています。しかし、炎天下の農薬散布から解放された安心感は、多少の減収には代えられず、高齢農家労力の軽減で、栽培が長続きできるようになったなどの利点もありました。茶の無農薬栽培が当たり前となった新宮村では、野菜なども無農薬で栽培しようとしており、思わぬ相乗効果を生んでいます。」


やはり安心できる環境が大切ということですね。


今年一月の「新宮茶園だより」に脇さんはこんなことを書いています。

「寒波が来た一月五日、六日でも最低気温は当地でマイナス2.1度とマイナス2度でした。人間様の都合でいえば暖冬はありがたいですが、冬季の寒冷で越冬害虫が少なくなり、天敵利用の無農薬栽培が定着している新宮の茶作り農家にとっては、やはり冬は寒くなければなりません。ニュースによると世界的にも地球温暖化に対する関心が高まり、重要な会議で対策が議論されております。新宮茶の無農薬栽培が定着してから二十数年、冬季寒冷で越冬害虫が少ないのと、土着天敵のおかげで無農薬栽培が成功している新宮茶にとっては温暖化は大敵、私たちお互いに非力ですができることから温暖化防止に努力しましょう。」


地球温暖化はこんなところにも影響を及ぼしています。
私たちはなんとしても地球温暖化を防がなければなりませんね。

中国高山茶産地も、この新宮村も、有機栽培とは基本的に同じ考えなのです。


地球温暖化防止のため、中国にはぜひ真剣に取り組んでもらいたいものです。

もちろん日本も、

です。



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