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2008/02/28     無農薬有機茶と地球温暖化
『昭和五十八年、家族三人が入院し、ひと夏農薬散布ができなかったことがありました。秋、ハマキムシやウンカの害で新梢がボロボロになった畑を秋整枝した翌朝は、霧の深い朝でした。うすらぐ霧の中、茶畑一面にクモの巣がキラキラ…。クモやハチ類が害虫を食べてくれることは知識として知ってはいましたが、農薬をかけない茶畑のクモ類が現実に目の前で増加したことに驚き、感激。農薬をかけない栽培を決意したのです。』
愛媛県新宮村だより
<現代農業1997年6月号より>

先日、高知大学生涯学習部門の主催で「土佐茶の味を探ろう」というシンポジウムが高知大学で開かれました。かめきちも講師の一人として参加してきましたが、そこで愛媛県新宮村無農薬茶の栽培に取り組んでいる脇博義さんにお会いしました。そして、大変貴重なお話を聞くことができました。

冒頭の言葉は脇さんが無農薬茶の栽培を決意したきっかけが語られています。


こちらは平成11年(1999年)11月29日の静岡新聞に載ったコラムですが、一部をご紹介します。

『愛媛県新宮村は、高知県と徳島県の県境にある人口二千人足らずの山村である。標高が高く秋の紅葉は美しいが、冬はかなり冷え込む。かつては和紙を作っていたが、現在の特産はお茶である。四国は山茶があることで知られるが、戦前はもっぱらその山茶で茶を作っていた。昭和二十九年に静岡から「やぶきた」の苗を入れ、畑地で茶の栽培がはじまった。現在、村には約四十二㌶の茶園があり、ほとんどがやぶきたである。そしてこれらはすべて無農薬で栽培されている。かつては農薬を使っていたが昭和六十年から全村無農薬となった。ここに至るにはそれなりの理由がある。冷涼な気候でもともと害虫が少なかったこと、手間がないこと、それに茶栽培に対する意識の問題もあるようだが、さらに優れた指導者がいた。この地で長らく茶の指導的立場にあるのが脇博義さんである。村には三つの茶工場があるが、全体の六〇%が脇さんの工場で作られる。煎茶やほうじ茶だけでなく、独自の缶ドリンクや粉末茶まで作られ、多くは通販により全国に売られている。村長、助役さん以下ほとんどの人が大なり小なりの茶園を持ち、脇さんが二十年来発行する「茶園だより」により、村が一つとなってお茶と取り組んでいる。』


全村無農薬というのは凄いですね。

かめきちも中国茶と係わって以来、無農薬有機栽培茶をずっと捜し求めています。

特に最近は中国食品に対する不信感から、「中国茶は大丈夫か」とのご質問をよく受けます。

当バンブー茶館茶葉はかめきちが茶産地まで行き、全て品茶してから自分が飲みたいと思う茶葉だけしか買いませんのでどうかご安心ください、とお答えしています。

しかし、この農薬使用の有無というのは確認が非常に難しいのです。

かめきちは茶産地で初めての茶農と商談するときは必ず工場倉庫を見せてもらい、農薬化学肥料の在庫を調べるようにしています。でもこれはあくまで高山での話であり、低地での栽培で無農薬は有り得ないのです。
そもそも、茶樹低地での栽培が可能になったのは、農薬化学肥料の進歩によるところが大きいからです。
ですからかめきちは低地で栽培された茶葉は絶対に買いませんし、まずそのような場所には行きません。

(注)プーアール茶の場合は信頼できる倉庫からのものでないと取り扱いません。


では、この新宮村無農薬栽培とはどのような方法なのかと言いますと、

それは、簡単に言えば土着の天敵利用なのです。

つまり、天敵利用して害虫駆除するということです。

これは非常に原始的な方法で、ただ茶畑周囲の杉の木を伐って雑木を植え、天敵が入りやすくし、そして害虫対策として山草をしき込み、山茶が自生している状態に近づけるというものです。

施肥は有機質中心の肥料を秋、春二回の施用にとどめ、夏芽が肥え過ぎないようにし、二番茶後の整枝で多雨期に新芽がないようにする、など昔なら当たり前のことをやっているだけなのです。

そうして何が変わったかと言うと、

芽出し肥硬化抑制肥などを中止し、有機質中心肥料の秋春のみの施肥のせいか、精揉機工程での光沢が少なくなりました。また、山間地産やぶきた種の強い滋味が減り、やや淡泊な味になったようです。多肥栽培製茶機の大型化原因かと思われる香気の減少はやや改善されました。」


つまり、多肥栽培製茶機の大型化が良くないということです。

かめきちが、高山有機手工にこだわるのもこういう理由からです。


そして脇さんはこう語っています。

天敵がいるということは、害虫もいるということで、その程度の被害はあると思っています。しかし、炎天下の農薬散布から解放された安心感は、多少の減収には代えられず、高齢農家労力の軽減で、栽培が長続きできるようになったなどの利点もありました。茶の無農薬栽培が当たり前となった新宮村では、野菜なども無農薬で栽培しようとしており、思わぬ相乗効果を生んでいます。」


やはり安心できる環境が大切ということですね。


今年一月の「新宮茶園だより」に脇さんはこんなことを書いています。

「寒波が来た一月五日、六日でも最低気温は当地でマイナス2.1度とマイナス2度でした。人間様の都合でいえば暖冬はありがたいですが、冬季の寒冷で越冬害虫が少なくなり、天敵利用の無農薬栽培が定着している新宮の茶作り農家にとっては、やはり冬は寒くなければなりません。ニュースによると世界的にも地球温暖化に対する関心が高まり、重要な会議で対策が議論されております。新宮茶の無農薬栽培が定着してから二十数年、冬季寒冷で越冬害虫が少ないのと、土着天敵のおかげで無農薬栽培が成功している新宮茶にとっては温暖化は大敵、私たちお互いに非力ですができることから温暖化防止に努力しましょう。」


地球温暖化はこんなところにも影響を及ぼしています。
私たちはなんとしても地球温暖化を防がなければなりませんね。

中国高山茶産地も、この新宮村も、有機栽培とは基本的に同じ考えなのです。


地球温暖化防止のため、中国にはぜひ真剣に取り組んでもらいたいものです。

もちろん日本も、

です。



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